今回は、どんなクセがココロが壊れる悪い要素となるのかを13の例を挙げてご紹介します。
★ ココロが壊れる悪いクセ13
1.「いい人」でいたいと思いこむ
2.よく爪を噛む
3.何事も合理的に捉える
4.「怒り」をムリして抑える
5.「置かれたところで咲く」と考えてしまう
6.しんどくても飲み会に出る
7.体組成計に毎日欠かさず乗る
8.SNSの「いいね」が気になる
9.理想はできるだけ高く持つ
10.何事にも自分一人で 対処する
11.失敗するのが怖い
12.自宅と仕事場の往復で過ごす
13.健康のために植物性食品を食べる
★ まとめ
マナーやルールをきっちりと守り、他人に優しく、尊重するという意味では、誰しも「いい人」であるべきなのでしょう。
わざわざ悪人を気取る必要はありませんが、生きづらさを抱える人がなりたいと思い込む「いい人」とは、往々にして他人から好かれるような人間になりたいというニュアンスが強いものです。
彼らの“いい人”の基準は、自己評価ではなく他人からの評価です。
自分が好きでもない人にまで好かれようとしてしまうので、本心ではやりたくない媚を売ったり、都合のいいときにだけ利用される人間になったりして、自分らしくいられなくなります。
大切なのは、自らのありのままを受け入れて愛することです。
生きづらさを感じるなら、ことさら「いい人」でいることの呪縛から離れ、もっと自分本位で生きていいのです。
自分を愛せるから、人は他の人も深く愛することができ、他者に配慮して敬える人へと成長できるのです。
★他者評価に惑わず、自分本位で生きよう
2.よく爪を噛む
知らないうちにやる悪癖の一つに爪噛みがあります。
原因は人それぞれで一つに絞るのは難しいのですが、一般的にバックグラウンドにはやはりストレスがあるといわれています。
咬爪症、毛髪を抜く抜毛症などは「自己刺激行動」の一種です。
軽い痛みなどの刺激により、ストレスやイライラする感情を発散していると解釈できます。
咬爪症や抜毛症がある方は、自分には解消したいストレスがあるんだと気づいてみましょう。
気づくこと、それが出発点となります。
自己刺激行動は、「何となくむしゃくしゃする」などのように言語化が不十分だったり、うまく整理できなかったりするストレスの発散に行われるケースが多く見られます。
発散方法のひとつとして、ストレスを感じたら、そのもととなる不平不満を一人でブツブツ呟きます。
小さな声で独り言のように呟いていると、だんだん気持ちが軽くなりますよ。
★ストレスを言語化して、ブツブツと呟こう
3.何事も合理的に捉える
何でも合理的に捉えて、無駄を避けたくなるのは、理不尽で想定外の出来事が怖いと不安になるからです。
例えば、凶悪事件が起きた際、“被害者側にも落ち度があったのでは?”という意見が出るのは、どこかにそうあってほしいという願望があるからです。
通り魔のような不条理な事件に出くわすと、多くの人は大きな不安を抱えます。
現実世界は白黒だけではないし、不条理なことも起こり得る可能性があり、それがわが身に降りかかることだってあるかもしれないと覚悟することも、心を穏やかに保つためには欠かせないのかもしれません。
★現実社会には不合理な部分もあると覚悟しよう
4.「怒り」をムリして抑える
「怒り」に限らず、感情は自然に湧き上がってくるものです。
蓋をして抑えつけるのは難しいでしょう。
かといって怒りの感情を、あたり構わず攻撃的に撒き散らしていたら、人間関係は悪くなる一方ですよね。
では、どう対処すべきなのでしょうか。
もしも怒りが湧いてきたら、その感情を紙に書いて破り捨ててゴミ箱に捨てましょう。
最近、名古屋大学の川合伸幸教授らの研究で、その方法の科学的効果が正しいことがわかりました。
実験では、小論文をわざと酷評して怒りの感情を呼び起こした被験者(大学生)に、素直な感情を紙に書いてもらい、怒りの感情を書いた紙をただ保持した群と、ゴミ箱に捨てたり、シュレッダーにかけたりした群を比較しました。
「正と負の感情表」という指標で評価した結果、後者の方が怒りの感情は抑えられたといいます。
怒りの感情を紙に書いて捨てるだけなら簡単ですから、この行動で穏便かつ平和的に怒りをやり場を解決しましょう。
★怒りの感情は紙に書いて吐露。破ってゴミ箱に捨てる!
5.「置かれたところで咲く」と考えてしまう
石の上にも3年と言いますが、それは一種の“生存者バイアス”によるものです。
辛い環境に耐えて、学びを得て成功する人(生存者)もいるかもしれませんが、ブラック企業なのに“いまの職場で咲く”と決めて耐え忍んだ挙げ句、心が壊れる人もいるという事実から目を逸らしてはいけません。
我慢が限界だと感じたら、逃げたり、環境を変えたりするのは恥でも卑怯でもないのです。
休職してもしんどいなら、もっと自分が輝ける職場、心が安らげる場所を求めて転職するのも全然アリなのです。
★逃げたり、環境を変えたりしてもいい
6.しんどくても飲み会に出る
自らの心がいまどういう状況かを知るヒントは、何気ない普段の生活習慣にあります。
掃除や片付けなど、普段普通にできていたことが億劫になってきたら、心がSOSを出している合図かもしれません。
些細なことで感情的になり子どもを怒ったりするのも、心が疲れているサインです。
心のアラームが鳴っているのに、気が乗らない飲み会に鞭打って出たり、同僚の残業に付き合ったりしないことです。
これまでの経験に照らして、どんなサインが出たら危ないのか、自分なりの防衛ラインを引き、それ以上ムリしないようにしましょう。
粘り強く最後まで頑張ろうとする態度は素晴らしいですが、背後に「0か100か」という認知(モノの捉え方)の歪みが隠れていることもあります。
できるか(100)・できないか(0)の二者択一で自らに妥協を許さない場合、心がしんどくなります。
40でも60でも成功だと緩く捉えれば、ストレスを抱え込む恐れはうんと減るのです。
自らのキャパを知り、自分だけでは手に負えないラインを見極めて、それを超えてしまいそうなときは、早めに他人に助けを求めましょう。
★SOSのサインに気づき、防衛ラインを設定しよう
7.体組成計に毎日欠かさず乗る
韓流スターやインフルエンサーの肉体美をSNSなどで見ると、羨ましくなりませんか。
しかし、ルッキズム(外見至上主義)に毒されて、「もっと筋肉ムキムキになりたい」とか「くびれを作りたい」と高い理想を追うのはやめましょう。
過激なダイエットで拒食症や過食症に陥る可能性だってあります。
同世代より多少太っているとしてもあなたはあなたのままであり、本来の価値は変わりません。
悪しきルッキズムから脱する手軽な方法は、理想の体重や体型を実現するプロセスと引き換えに、何を失うかに目を向けることです。
ストイックすぎるダイエットで大好きなスイーツを諦めたり、筋トレに時間を取られて友人関係が疎遠になったりすると、人生で大事なものを損ないます。
それで幸せなのかを冷静に考えてみましょう。
★ルッキズムの代償に失うものを直視せよ
8.アイデンティティは自分の物差しで作る
自らに肯定的、受容的であることは重要ですが、そこへSNSでの“いいね”のような他者の尺度を入れてしまうのはおかしいのです。
他者の物差しを使わず、自らアイデンティティの輪郭を作り上げるうえで有効なのは、絶対に失いたくないものを見つける作業です。
家族や健康など、決して失いたくないものを書き出してみると、自然と優先順位が低いものが排除できるようになり、自分の本当の姿が見えてくるとおもいます。
★他者の尺度でなく自分軸で考える
9.理想はできるだけ高く持つ
理想や目標がある方がやる気はアップしますが、高すぎる理想や目標は、実現することが難しいので、途中で挫折して意欲が低下するきっかけになりかねません。
そうすると自己肯定感が下がりやすくなります。
まずは達成する確率が高く、手が届きそうな等身大の目標を立ててから、一つひとつクリアしていくことです。
小さな成功体験をコツコツ積み重ねていると、自己肯定感が高まり、仕事や人生の満足度が上がります。
★等身大の目標を立てて、成功体験を積み重ねる
10.何事にも自分一人で 対処する
一人で抱え込まず、相談できる相手がそばにいると、ストレスはマネジメントしやすくなります。
いざというときに頼れたり、黙って話を聞いてくれたりする人の存在は貴重なのです。
自分には頼れる人はいない…などと悲観するのは早合点で、反対に。あなたが助けてあげたいと思う人を思い浮かべてみましょう。
あなたが助けたいと思っている人こそ、実はあなたの窮地を救ってくれるサポーターとなる可能性があります。
大切な存在なのに疎遠になっている人がいたら、「最近どうしてる?」とメールを送ってみましょう。
そんな小さな交流が、将来の自らの窮地を救う手がかりとなるかもしれませんよ。
★いざというとき頼れるサポーターと絆を作る
11.失敗するのが怖い
失敗のない完璧な人生などありえません。
ノーミスを追求すると、ちょっとしたミスで「こんなに頑張ってきたのに」と嘆き悲しむハメになり、心が折れてしまうかもしれません。
失敗が最初から“想定外”だと、いざ何かミスをしたときに未知の状況に置かれてしまい、パニックになってしまいます。
人間は誰でも失敗して当たり前なのです。
失敗を前提に、ミスしたときにどうするかを事前にシミュレーションしておけば、失敗を過度に怖がり、不安を抱えるリスクも減らせます。
★失敗を想定外にせず、前提として計画する
12.自宅と仕事場の往復で過ごす
忙しくて仕事場で遅くまで働き詰めだと、平日は自宅に戻ってもただ寝るだけで終わってしまっていませんか。
週末も疲れ切って自宅から出る気も起きず、結局、自宅と仕事場の往復で一週間が過ぎていくような生活を続けると、ストレスが溜まり心は蝕まれていきます。
自宅と仕事場という2つの世界しか持っていない場合、仮に仕事でポカをして上司から叱責されたら、2つの世界のうちの半分がボコボコになってしまいます。
ジムでも趣味の集まりでも、自宅と仕事場以外の居場所である“サードプレイス”を見つけて気分を変えましょう。
★気分がすっきり晴れるサードプレイスを設ける
13.健康のために植物性食品を食べる
健康のため、野菜や大豆食品などの植物性食品ばかり食べる人もいますが、長期的に続けると、メリットよりデメリットが大きいかもしれません。
肉類などの動物性食品の完全カットを長く続けると、むしろ心の健康に悪影響が及ぶことがあります。
抗加齢医の本間龍介先生によれば、脳内で働く神経伝達物質のセロトニンやドーパミンなどは、トリプトファンというアミノ酸から合成されており、このトリプトファンは体内では合成できない、食事から摂り入れるべき必須アミノ酸だといういこと。大豆食品にも含まれますが、肉類の方がより効率的に摂取できるのです。
セロトニンは気持ちを安定させてくれるし、ドーパミンは達成感などの幸せな気持ちを高めてくれます。
健全な心身のために、植物性食品も動物性食品も偏りなく食べるようにしましょう。
★肉類などから脳を元気に保つアミノ酸を摂る
まとめ
ご紹介した13の無意識のクセを自覚することができれば、それを一つひとつ排除していくこともできます。
人間のキャパシティは、人それぞれです。
自分のキャパを知り、それ以上抱え込まないこと、限界だと感じたら助けを求めることで、生きやすい人生となるのではないでしょうか。