できればずっと一緒にいたいものですが、人間と猫の平均寿命を比べると、先に旅立ってしまうことは覚悟しなければなりません。
いつかはさよならする日が来ることがわかっていても、愛猫とはなるべく長く一緒にいたいものです。
愛猫に長生きしてもらうために、飼い主として何ができるのでしょう?
今回は、猫とのお別れをなるべく遠い未来にするために飼い主さんができることをご紹介します。
★平均寿命が長い猫の種類
★ 猫の寿命を伸ばすために飼い主ができること
1.完全室内での飼育
2.適切な食事量
3.水分補給はしっかり
4.定期的な健康診断
★ まとめ
令和2年に一般社団法人ペットフード協会が実施した調査によると、猫の平均寿命は15.45歳という結果が出ています。
人間の寿命も延びてきていると言われていますが、猫も寿命が延びていると言われています。
同じく一般社団法人ペットフード協会の2010年度の調査結果を見てみると、猫の平均寿命は14.4歳となっており、10年ほどで、1年近く猫の平均寿命は延びているようです。
とはいっても、平均寿命はあくまでも平均寿命です。
猫によってお別れまでの時間は様々なので、あくまでも一つの基準として見るくらいでいいと思います。
猫の寿命は本当に猫によりけりです。
元々の体の強さ、生活をしている環境などでも大きく変わってくるため、平均寿命といっても幅はあるでしょう。
では、一番長生きした猫は一どのくらい長生きしたのでしょうか?
ギネス記録によると、世界で一番長生きした猫はクリームパフちゃんという女の子の猫。
残念ながら2005年 8月6日に亡くなっていますが、クリームパフちゃんは38才3日という長寿だった猫のようです。
ちなみに、クリームパフちゃんも飼い主さんは同時期に『毛のない猫』として有名なスフィンクスも飼っていらっしゃたのですが、このスフィンクスのランパ・レックス・アレンも34歳というご長寿猫だったそうです。
長寿猫2匹が同じ飼い主さんによる同時期の飼育だったので、飼い方や食事にも猫の長寿の秘訣があるのではないかと注目されました。
特に、クリームパフちゃんの食事は一風変わっており、人間の食べ物やコーヒーなどを与えていたと言われています。
コーヒーなどのカフェインや人間の食べ物は猫には毒になると言われている食べ物です。実際に猫が中毒を起こすケースが多いので、猫には与えない方がよいでしょう。
クリームパフちゃんの食事も長寿との因果関係が調査されましたが、食事と長寿の因果関係は証明されていないそうです。
飼育環境や品種によって多少差はあるとされていますが、猫の年齢を人間年齢に換算する方法もあります。
猫は最初の1年で人間年齢の18歳まで成長すると言われています。
そして2年で人間年齢の24歳まで年を取り、その後からは緩やかに年を取ります。
緩やかに、とはいっても人間よりも猫が年を取るのは早く1年に人間年齢で4歳ずつ年を取ると考えられています。
我が家の先代猫は19歳で虹の橋を渡ってしまいましたが、人間でいうと92歳という御長寿でした。
クリームパフちゃんの足元にも及びませんが、結構な長寿だったのではないかと考えられます。
少し古いデータになりますが、2017年時点では日本猫・MIX猫の平均寿命が14.3歳と最も長いとされていました。
2017年の猫全体の平均寿命が14.2歳なので、どれだけ日本猫・MIX猫の平均寿命が長いか、わかるデータになっています。
日本猫は、純血統として認められている品種ではなく、日本に元々いた猫と洋猫の血がMIXされた猫を『日本猫 』と現代では呼ぶことが多いようです。
様々な血が混ざったことで、体の丈夫な猫が多いのかもしれませんね。
ただ、同じアニコムの同じ2017年のデータに年間診療費の統計もありましたが、年間診療費は日本猫・MIX猫ともに高めでした。
日本猫・MIX猫は体は強いかもしれませんが、保護猫が多く、最初の医療費が多くかかるのかもしれません。
猫の平均寿命は、15歳前後とご紹介しましたが、室内飼いと野良猫では平均寿命にかなり差があります。
一般社団法人ペットフード協会のデータによると、飼い猫でも外を自由に出歩く猫の平均寿命は13.57歳、完全室内外の猫の場合は16.13歳と、同じ飼い猫でも大きな差があります。
外に出る猫は、猫伝染病をもらう確率もあがり、事故にあう可能性も高いことから、完全室内の猫よりも平均寿命が短くなるようです。
では、飼い猫ではない野良猫の平均寿命はどのくらいなのでしょうか?
飼い猫と違いしっかりとした統計データはありませんが、野良猫の平均寿命は非常に短く3~5歳くらいではないかと言われています。
野良猫の子猫の生存率は悲しいことにとても低いのが現実です。
天敵の多いお外の世界では、子猫は長く生きられないことも多いため野良猫の平均寿命を大きく引き下げているのかもしれません。
地域猫など、たまに高齢の野良猫を見かけることもありますが、平均寿命はあくまでも平均値です。
大切な家族の一員である猫に、いったいどうすれば元気に長生きしてもらえるのでしょうか?
猫が長生きしてくれる秘訣として飼い主さんができることを挙げてみましょう。
1.完全室内での飼育
飼い猫でも外に自由に出入りができる猫と完全室内飼いの猫では、平均寿命がかなり違います。
一昔前は、猫は自由な生き物だから室内飼いはかわいそう…、と思われていた時代もあったようです。
外に出られないストレスで、猫の平均寿命も短くなると信じていた人もいるほど、『猫は外にいるもの』という考えが定着していました。
しかし、今は統計データでもわかる通り、猫は室内で飼われている方が猫の受けるストレスは少ないことがわかっています。
また、完全室内飼いの猫は、猫の間で接触感染をするような病気にもかかりにくく、事故にあう確率も少ないため平均寿命が外飼いの猫に比べると長いようです。
愛猫に長生きをしてほしいなら、完全室内飼いをおススメします。
2.適切な食事量
人間もそうですが、猫の肥満は猫の病気につながり、健康寿命を脅かす原因になります。
猫が肥満にならないためには、飼い主さんがしっかりと猫のごはんに気を付けてあげることが大切です。
ごはんのあげすぎには注意をしましょう。
また、猫のごはんには『総合栄養食』と書かれているものと、『一般食』と書かれているもの、の2種類があります。
総合栄養食と書かれているごはんは、猫に必要な栄養素が総合的に含まれているごはんです。
基本的には総合栄養食と書かれたご飯を主に食べていれば、猫に必要な1日の栄養素は補うことができると言われています。
一般食とは、人間のごはんでいうところの『おかず』のようなもの。
一般食のみ、猫が食べていると猫に必要な栄養素をすべて補うことができないため、総合栄養食との併用が推奨されています。
一般食はパウチや缶詰が多く、味も匂いも猫の好むものが多いため、一般食ばかり食べたがる猫も多いかもしれません。
しかし一般食のみを猫が食べていると、猫の栄養が偏ってしまい、猫の体にはよくありません。
猫の長寿を願うなら、総合栄養食をメインで猫には食べてもらうようにしましょう。
最近では、猫のために手作りごはんを作る飼い主さんもいらっしゃいます。
猫にも愛情たっぷりこもったごはんを食べてもらえてとてもいいとは思うのですが、手作りごはんも、どうしても栄養に偏りが出てしまうと言われています。
猫に手作りごはんをあげるときにも、総合栄養食との併用をおススメします。
3.水分補給はしっかり
猫に一番多い病気は腎臓病です。
3頭に1頭は腎臓病にかかると言われているほど、猫にとってはポピュラーな病気でもあります。
猫に腎臓病が多いとされている理由は、猫の水分摂取量が少ないことがあげられます。
しっかりと水分を取っていれば腎臓病に絶対にならない!というわけではありませんが、猫にしっかりと水分補給をしてもらうことで、腎臓病をある程度予防できます。
猫自身、あまり水分補給を積極的に行う動物ではないので、飼い主さんが猫の水を飲みやすいように工夫してあげることが大切です。
猫の水場の位置などをもう一度見直し、猫が水を飲みやすいように工夫をしてあげましょう。
4.定期的な健康診断
人間も定期的に健康診断を行い、病気の早期発見を心がけるように、猫も病気が早期に見つかり、早期に治療できたほうが、予後は良好です。
猫の場合、人間よりも進行がかなり速い病気もあるので、早期発見・早期治療は大切です。
猫に長生きをしてもらうために、猫には1年に1度程度健康診断をしてもらいましょう。
まとめ
過度のストレスがきっかけで、風邪をひいたり猫エイズが発症するきっかけになってしまうこともあるようです。
甘やかしてご飯を欲しいだけ与えたり、嫌がることを無理に強いることはせず、ストレスをかけないようにしっかりとした愛情で猫と暮らしていきましょう。