犬や猫にコーヒーを飲ませている人はいないと思いますが、テーブルに置いたカップの中を愛犬や愛猫が舐めてしまうことはよくあることかもしれません。
ですが、コーヒーなどに含まれる「カフェイン」が犬や猫に与える影響は怖いものがあります。
今回はこのカフェインと猫について解説していきます。
カフェイン中毒とは、コーヒーやチョコレートなどに含まれるメチルキサンチンといわれる化合物の過剰摂取により生体に様々な症状を生じる中毒症状の事です。
メチルキサンチンといわれる化合物にはカフェインの他にも、テオブロミン、テオフィチンなどがあり、主に、コーヒーにはカフェイン、チョコレートにはテオブロミンとカフェインが含まれています。
猫がメチルキサンチンを過剰摂取すると、次のような症状が見受けられる場合があります。
・嘔吐や下痢などの急性の消化器症状起こり、時に血便などもみられます。 食欲がなくなる子もいます。
・呼吸速拍、頻脈など、循環器症状が起こり、心疾患がある子は倒れてしまうこともあります。
・異常な興奮や痙攣、発作など、神経症状を引き起こし、それに伴い高体温が一般的に見受けられます。
症状の程度は摂取したカフェイン(メチルキサンチン)の量や個体によって様々ですが、ほとんど症状が出ない子もいれば、少量でも非常に重篤な症状を出し、命に関わることもあります。
摂取後30分後くらいから症状が現れ、48時間は注意が必要です。
コーヒー1杯(約100ml)にはカフェインが60mg含まれています。
体重3kgの猫がコーヒー1杯飲んで『軽度の症状』なので、実際には重篤になるほど飲むことは稀ですが、意外とミルク入りの甘いコーヒーなら喜んで飲んでしまう子たちもいるのでコーヒーのカップなどの飲み残しはそのまま放置しないように気をつけましょう。
カフェインと言えば、真っ先に思いつくのがコーヒーですが、実はコーヒー以外にもカフェインを含む飲み物はたくさん存在します。
中にはコーヒーよりもカフェイン量が2倍以上多く含まれるものもあります。
コップ1杯(約100ml)に含まれるカフェインの量は以下の通りです。
コーヒー 60mg
紅茶 30mg
緑茶(煎茶) 20mg
ウーロン茶 20mg
ほうじ茶 20mg
ココア 30mg
コーヒを挽いたあとのカスやお茶っ葉も、そのままゴミ箱に捨てるといたずらすることがありますので要注意です。
もし、かなりの量を飲んでしまったことがわかればすぐにかかりつけの病院に連れて行きましょう。
2時間以内であれば一つの方法として、摂取したものを吐かせる催吐(さいと)処置をおこないます。
また、中毒症状が出ていて危険と判断した場合には胃洗浄なども行われます。
症状がほとんどないようであれば、点滴をしたり、薬効成分を吸着させるような薬を使用することもあります。
予防としては、私たち飼い主が気をつけることが何より大切です。
特に、猫の身体能力はとても優れていますので、甘く見てはいけません。
ここなら届かないと思っている場所でも簡単に届いてしまいます。
犬や猫は、飼い主さんが「捨てた」ものをゴミ箱から探し出してくる天才的な嗅覚の持ち主です。
しっかりと対策をとって、誤ってコーヒーやカフェイン入りの飲み物を飲んだり、食べ物を誤食しないように注意してください。
まとめ
人間が飲んでいるものに猫は興味を持つみたいで、横に来てコップをクンクンと嗅いだりすることもよくあります。
カフェインの多い飲み物を飲むときは、十分に気を付けて飲むようにしましょう。