そのため猫を多頭飼いする場合は一筋縄ではうまくいきません。
現在すでに猫を飼われている飼い主さんが、後輩の猫を新しく迎え入れたいと考えられている場合、性別や年齢を考えることでスムーズに多頭飼育を始められることもあります。
今回は一般的に上手くいきやすいとされている組み合わせをご紹介しますので、今いる飼い猫の気持ちを想像しながら新入り猫を迎える参考にしてみてください。
猫の多頭飼いのポイントは年齢と性別です。
猫にとって、自分の生活圏内に新たな猫がやってくることは大きなストレスになります。
特に、ずっと一匹で過ごしていた子にとっては相当なストレスになります。
飼い主さんとしてはよい遊び相手になるだろうと愛猫のためにやってあげたことが、悪い影響になってしまいやすいのが猫の多頭飼育です。
新入りさんを迎える前にしっかりメリット・デメリットを考えて行動に移しましょう。
また、先住猫がいる家庭に新しく猫を迎え入れる場合だけでなく、複数の猫を一緒に迎え入れる際も猫同士の相性は大切です。
社会化期(2~9週齢程度)の子猫はいろいろなことを柔軟に受け入れやすい傾向があるため、比較的、多頭飼いに抵抗せず、一緒に遊びながら仲良くなりやすいといわれています。
しかし、子猫は成猫に比べて抵抗力が弱いため、猫エイズや猫白血病ウイルスの検査、糞便検査等も含めた全身状態のチェックと駆虫やワクチン接種などの予防をしっかり実施したうえで会わせるようにしましょう。
仲良くなってほしい一心で、子猫同士を安易に接触させてしまうと感染症が広がり、最悪の場合、全頭亡くなってしまうこともあるため十分に注意してください。
同じ母猫から一緒に生まれた子猫同士だからといって、問題なく仲良く過ごせるとは限りません。
きょうだいだから仲良くなる考えがちですが、14週齢以降は個々の主張が大きく出てくるため、この時期に仲良くできない子同士は、きょうだいであってもその後ずっと相性が悪いこともあります。
一緒にくっついて眠るかなど、仲良しか見極めてあげる必要があります。
2.成猫メス同士
成猫のメス同士は、とくに血縁関係のある場合は仲良くなりやすいです。
野良猫で母猫が狩りに行っている間に別の母猫が子猫を見守るなど、血縁関係のあるメス猫同士は、子育てを手伝うことがあるといわれています。
3.オスとメスの成猫同士
対面までのステップをゆっくりと時間をかけながら丁寧に進めていくと、仲良くなってくれる可能性が高まります。
また基本的なことですが、予定外の妊娠をしないよう、対面前に双方の避妊・去勢手術は済ませておきましょう。
メスだけ手術していれば大丈夫と考える飼い主さんもいますが、確実な妊娠にはつながりにくいものの、未去勢のオスだとメス猫を執拗に追い回して喧嘩に繋がるなど、双方にとってかなりのストレスを与えることになるため、オスの去勢も必ず実施しておきましょう。
4.成猫と子猫
人間も「赤ちゃんなら仕方ないか」と受け入れられやすいように、成猫同士よりも、子猫が新たに仲間入りする方が先住猫も受け入れやすくはあります。
この場合も、まずは別室でゆっくり過ごし、少しずつ対面させていくなど、段階を踏む配慮が必要です。
また、新しく迎えた子猫のほうに家族の視線が集中しがちですが、先住猫を優先し丁寧に接しましょう。
5.成猫のオス同士
オスの成猫同士の場合、縄張りの主張が激しくなったり、興奮状態が続き、落ち着きがなくなってトイレ以外で排尿したりすることがあります。
この組み合わせに限ったことではありませんが、喧嘩によって大きなケガを負う可能性もあるため、慎重に考えた方がよさそうです。
6.高齢猫と子猫
高齢猫を飼育されている場合、ペットロスを恐れて子猫を迎える飼い主さんもいます。
子猫は先住猫に襲い掛かって遊びに誘うことが多いのですが、体力差がありすぎるため高齢猫にとってかなりのストレスになります。
子猫の活発な動きが高齢猫を疲れさせてしまうため注意しましょう。
まとめ
愛猫の性格を熟知した飼い主さんだからこそ、先住猫の性格を考慮し、どんな新入り猫が理想的かを考えましょう。
もともと先住猫が保護猫カフェなどにいた場合は、滞在中に相性がよかった子を新たに迎えることも方法のひとつです。