厚生労働省の推計によると認知症の患者数は2025年に約730万人にのぼり、65才以上の高齢者のうち5人に1人は発症するとされています。
20%の方が認知症に罹るということになり、自分だけは大丈夫と思える確信など得られるはずもありません。
もはや誰もが認知症に罹るとかもしれないと覚悟しておいた方がよさそうです。
最近の研究によると、日常生活の習慣が認知症を招く要因になっていることがわかってきていますが、それは習慣の改善をすれば、発症リスクは下げられるということになります。
今回は、認知症を予防するためにやってはいけない生活習慣についてご紹介したいと思います。





日常生活の改善で認知症発症リスクが約4割低下


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現状、認知症を完治させる薬はなく、完全に予防することも難しいとされています。

しかし近年は研究が進み、認知症になりにくい生活習慣や食生活が明らかになってきているのです。




2020年に世界五大医学雑誌のひとつ『ランセット』において、認知症の発症にかかわるリスク因子が掲載されました。

これらのリスク因子を改善することで認知症の発症リスクを約4割下げられるといわれています。

いま直ぐに始めて、認知症になりにくい生活習慣を身につけておくことが重要です。







認知症発症リスク因子13選




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以下でご紹介する13の生活習慣をひとつでも多く改善することが、認知症予防の一歩になるといえるでしょう。


1.たばこを吸う

中年期(40~64才)以降も喫煙を続けた人は、非喫煙者に比べてアルツハイマー型認知症になる可能性が2倍、血管性認知症は2.9倍高いとされています。
受動喫煙者もリスクが上がるので、家族や周囲に喫煙者のいる方は要注意です。




2.愚痴や悪口を言う

どうせ自分なんて、といったネガティブな思考は認知機能の低下を招く原因になるといいます。
悪口や批判的な態度は自分のストレスを助長するだけでなく、家族や友人が離れ、社会的な孤立を深める原因になるので要注意です。




3.食事は外食やデリバリーが中心

コロナ禍の影響でデリバリーが習慣化したり、もともと外食中心の食生活で料理をしない方もおられるでしょうが、料理には脳を活性化させる効果があります。
料理をすると脳の前頭前野の働きが活発となり、血流が増加したという研究結果も出ています。
まずは簡単なものでいいので、少しずつ自炊習慣を身に着けていきましょう。




4.面倒で歯みがきをサボりがち

歯の健康と認知症の関係は深く、歯周病菌がアルツハイマー型認知症の発症因子アミロイドβの生成・蓄積を促進させることがわかっています。
さらに、虫歯菌が認知機能の低下と関係していることも明らかになっています。
口腔内の健康が脳の健康につながると覚えておきましょう。




5.休日は家でダラダラ

他者とのコミュニケーションは、脳を刺激し、脳の発達を促進させます。
家にひとりで閉じこもっていては、人と話す機会が減るだけでなく、社会的孤立にもつながります。
買い物に行く、カルチャースクールに通うなど、意識的に外出する用事を作りましょう。




6.イヤホンをして音楽を聴く

イヤホンやヘッドホンを使い、大きな音量で音楽を聴き続けると、音を伝える役割をしている内耳の有毛細胞が徐々に壊れて難聴になりやすくなります。
なるべく使用は控えた方がよいでしょう。
やむなく使う場合は、音量に気をつけて1日1時間未満に留めておきましょう。




7.欲求の封じ込め

認知症予防には、ストレスをためないことが大切です。
人が心の底からリラックスできる状態は実は、食欲・性欲・睡眠欲の三大欲求が満たされることで成立します。
性欲を満たす方法は、異性と体を重ねるだけでなく、ペットなどの動物や子供と触れ合ったり、“推し活”などの疑似恋愛でもかまいません。
“ときめくこと”で、脳が活性化されるのです。




8.筋トレのやりすぎ

認知症予防に運動は大切です。
筋力維持を目的とした適度な筋トレはいいですが、50代以上でムキムキになるくらいの過度な筋トレは、けがや病気の原因にもなります。
認知症予防が目的なら週2~3回、1回30分以上のウオーキングがおすすめ。
認知機能の低下防止だけでなく、代謝がよくなり血糖値や血圧の改善も期待できます。




9.必要以上の服薬は控えて

ちょっとした不調ならば、ドラッグストアなどで手に入る薬をのんで様子をみるという人も多いと思いますが、市販の風邪薬、花粉症薬、胃酸の分泌を抑える薬、せき止め薬、睡眠改善薬などの中には、認知機能に影響を及ぼす成分が含まれているものもあります。
過度な服用は控え、不調時は病院で適切な薬をもらうようにしましょう。




10.簡単な計算でも電卓を使う

脳は使わないとどんどん衰えてしまうので、日常生活で計算する習慣を作るのがおすすめです。
たとえば、買い物をしながら合計金額を算出することで、計算力と記憶力が鍛えられます。




11.失敗が怖れ、得意なことしかやらない

年齢を重ねると何事も慣れ親しんだものを選びがちですが、新しい体験をすると脳の神経細胞が活性化します。
いつもと違う道を通る、新しい店に入るなど、ささやかでいいので“初体験”を心がけてみてください。




12.いつも同じ人としか話さない

知らない人との会話が脳の刺激になります。
親しい人との会話は気楽で楽しいですが、緊張感がないので、初対面の方やあまり話したことのない方との会話の方が、相手がどんな人か探りながら話すので脳への刺激も強くなります。




13.心配性で、何度も確認する

スウェーデンの大学が行った調査によると、心配性な人ほど認知症になりやすいとのこと。
人は笑うと脳が活性化し、心身もリラックスします。
心配性な人は、意識的に声を出して笑うことを心掛けましょう。







リスク因子の中で、特に気をつけたいこと

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数あるリスク因子の中でも、特に気をつけてほしいのが難聴です。

難聴の人が認知症になるリスクは、そうでない人に比べ1.9倍高いというデータがあります。




難聴になると脳の言語を司る部位の働きが低下し、さらに、コミュニケーションがとりづらくなるので、他者との接触を避けるようになって脳への刺激が減り、認知機能が落ちやすくなるのです。




難聴とは単に耳の感度が落ちることではありません。

例えば、耳に手を当てて何度も聞き返すので声が小さいから聴こえないのかと思いあ耳元で大声で話すと「やかましい!」と怒られてしまうことがあります。

それが難聴に対する誤解で、難聴は単に耳の感度が落ちただけではなく実際に聴力を測ると50~60dB程度の中等度難聴であることが多いのです。

すなわち、近距離なら声は十分聴こえています。

何度も聞き返すのは、声は聴こえているのに、なにを言っているかわからないからです。




聞こえているのかどうかを認識するのは脳が行います。

つまり脳に正確に音声信号が送り込まれなければ言葉は認識できません。

加齢による難聴のほとんどの原因は内耳障害ですが、音声情報が長い間聴覚の通り道を通らないと、情報が伝わりにくくなります。

聞き取る能力を忘れてしまうのです。


すると、音は聞こえていても、音声の情報内容の処理が難しくなってきます。
これを音声処理能力の低下といい、難聴の脳ともいわれます。




難聴の脳になると、「聴力の割には言葉の理解が悪くなる」「言葉と周囲騒音の弁別がしにくくなる」「早口についていけなくなる」と言った状態になります。

このような症状を自覚したら、専門家である補聴器適合判定医に相談し、言語聴覚士のもとで補聴器装用を始めましょう。

はじめは周囲騒音がうるさく聞こえ、何を言っているのか理解ができないかもしれませんが、我慢強く周囲の音を聴き、会話の機会を増やしていきましょう。

慣れてくると補聴器の出力を徐々に上げて、日常生活で不自由のない程度にまで持っていくことができます。

大切なのは、聴覚のプロである専門医が指導の元で買うことです。




まとめ

認知症は誰にでも起こりうる脳の病気です。
13のリスク因子のなかでも、とくに難聴には注意しましょう。
女性の場合は、更年期の影響で太りやすくなるため、糖尿病、肥満にも要注意です。
糖尿病や肥満になると、インスリンが脳で正常に働かず、アルツハイマー型認知症を引き起こしやすくなるといわれているからです。
リスク因子のある生活習慣がある方は、今日から見直して上手に認知症予防につなげていきましょう。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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