特に食事面においての生活習慣の乱れは、体力だけでなく学習意欲の低下にもつながる一因と指摘されているので、気を付けたいところです。
今回は、子どもの集中力や学力を高めるための食事メニューや食生活のコツをご紹介誌たいと思います。

一人ひとりの子どもたちの成長や発達には個人差がありますが、学校に通うようになると、発達とともに生活リズムを作る大切な時期に入ったと言えます。
子どもの生活リズムを向上させるために、文部科学省は、平成18年4月に子供たちの健やかな成長のために、早寝、早起き、朝ごはんを推奨する「早寝早起き朝ごはん」全国協議会が発足し、地域、学校、家庭が一体となって、生活リズムの改善、体力、気力、学習意欲の向上を目指しています。
文部科学省の調査によれば、朝ごはんを毎日食べる習慣のある子どもは、朝ごはんを食べていない子に比べて学力調査の得点が高い傾向にあるのだそうです。
朝ごはんを抜いてしまうと、午前中から活動のエネルギーが不足してしまいます。
それにより、授業に集中できなかったりイライラしたり、キレやすかったり、というように子どもの気持ちも安定しません。
大人は朝食を抜いたとしても、自部の意思でお腹が空いたら何か口にすることができますが、学校生活を過ごす子どもたちにとってはそうもいきません。
成長期の子どもたちが、大人と同じ感覚で朝食を抜くことは避けたいものです。
子どもたちが規則正しい生活リズムを整えることは健康面だけでなく、集中力アップにも繋がります。
学力を高めるためには、勉強に追い立てるよりも、まずは朝ごはんをしっかり摂ることから始めてみましょう。

では、子どもたちは朝ごはんにはどのようなものを食べればよいのでしょうか。
ぜひとも摂っておきたい栄養として以下の2つがあります。
ブドウ糖
脳に十分なエネルギーが供給されないと、カラダを動かす力はもちろん、集中力も散漫になりがちです。
脳のエネルギー源であるブドウ糖は、朝にしっかり摂っておきましょう。
ブドウ糖はご飯やパンなどの穀物類やいも類、果物などに多く含まれています。
糖質などのエネルギー源が不足すると疲れやすくなったり集中力が低下したりすることがあります。
とくに午前中は授業が長く続くので、エネルギー源となるごはんやパンなどをしっかり摂ることをおススメします。
カルシウム
炭水化物だけをとるのではなく、カルシウムをプラスするよう心掛けていきましょう。
カルシウムには、強い骨を作る以外にも精神を安定させる作用もあると言われており、意識的に摂りたい栄養素です。
乳製品や大豆製品、ひじきなどの海藻類、切干大根などの乾物に多く含まれています。
また、カルシウムの吸収をサポートしてくれるビタミンDなども合わせて摂るようにしましょう。
パンであれば、チーズトーストにするだけでブドウ糖とカルシウムの両方が摂れます。
手軽な朝食メニュー
★梅干し入りおにぎり
ごはん(糖質)+海苔(カルシウム)+梅干し(クエン酸)
★チーズおかかおにぎり
ごはん(糖質)+チーズ(カルシウム)+鰹節(ビタミンD)
★しらすチーズトースト
パン(糖質)+チーズ(カルシウム)+しらす(カルシウム、ビタミンD)
市販のものをうまく活用したり、曜日によって朝食パターンを決めたりして、時間がない朝でも充分な栄養を摂れるよう工夫しましょう。

成長過程のカラダを作る大切な時期は、子どもの食事の内容にもぜひ気を配ってあげてください。
とはいっても、特別なことは必要なく、目指すのはは「バランスの良い食生活」です。
ぜひ下記の食生活で気を付けたい3つのポイントを参考に、バランスを考えましょう。
1.おやつやジュースはほどほどに
成長過程の子どもにとって、3度の食事だけでなく、おやつは大切なエネルギー源になります。
糖分が不足すると、脳を動かすためのエネルギーが不足し集中力が低下します。
しかし、高カロリーで糖分の多いおやつを摂りすぎると、かえって集中力の低下を招くこともあるので、甘いお菓子や糖分の多いジュースの摂りすぎはさけましょう。
10歳前後の子どもに必要な一日のエネルギー量は1800kcal~1950 kcalです。
おやつのカロリーはこの1割程度を目安に、できれば200 kcal以内におさえるようにしましょう。
市販のスナック菓子は量が多いので、予め食品保存用袋などに小分けにしたり、食べる分だけ小皿に分けて出したりすれば摂りすぎを防げます。
2.よく噛んで食べる習慣づけを
健康のためにも、よく噛んで食べるようにしましょう。
よく噛むことで脳が活性化し、集中力の向上やストレスの緩和に繋がると言われています。
根菜やきのこなど食物繊維の多い食材を使用したり、野菜を少し大きめに切って噛みごたえのあるように工夫すれば、自然に噛む回数も増やせます。
おやつにナッツやドライフルーツなどを取り入れるのも良いでしょう。
3.加工食品の使いすぎに注意
加工食品は便利で使いやすいため、ついつい多用してしまいがちですが、塩分や添加物が多く含まれているため、摂りすぎないように注意しましょう。
塩分や添加物の摂りすぎると、カラダの成長だけでなく、精神や感情への影響を及ぼすことが懸念されています。
日々の食事づくりの中で添加物を減らせるよう意識していきましょう。

まとめ
さまざまな健康法が推奨される中で、糖質制限や朝食抜きが取り上げられることもありますが、成長期の子どもには避けるようにしましょう。
子どもの学力を食事からサポートできるよう、生活リズムを整え、手軽に栄養価をプラスしてわが家流の朝食をデザインしてみてください。