猫の幸福度を飼い主さんの目から見て把握できるポイントが何点かあるので、今回は日々の暮らしの中で、どこに着目すればよいのかをご紹介したいと思います。


飼い主さんの目から見て、愛猫が健康であることは何よりも幸せなことですが、猫自身はあまり実感していないかもしれません。
そこで、猫の幸せな毎日に直結する食欲と排泄の状態に注目してみます。
毎日しっかりとごはんを食べて、適量の水を飲み、スムーズに排泄できているなら、基礎的な健康問題はなさそうですね。
もし、食が細くなったり、逆に過剰に食べたがったり、便秘や下痢などの異常が続くようなら、ストレスや体調不良の可能性があります。
愛猫の健康や幸福に直結する食事とトイレの様子は、なんとなく見ていると異変に気づくのが遅れてしまうことがあるので、毎日定期的に同じ時間の様子を観察することをおすすめします。
2.快適な睡眠と生活リズム

1歳までの若いときは比較的活発なのですが、成猫になると1日の大半の時間を眠って過ごすようになります。
気兼ねなくリラックスした自由な姿勢で、ぐっすりと眠れているようなら猫が幸せとする安心できる環境が整っている証拠です。
一方で、ゆっくりと眠ることなく、昼も夜もウロウロして落ち着きがない場合は、何かストレスを抱えているかもしれません。
愛猫が気になるニオイや騒音、あるいは環境の変化など、影響している原因を探し絵見ましょう。
猫は「昨日と同じ今日、今日と同じ明日」を好む傾向があるため、頻繁な変化を好みません。
やむを得ない場合を除いては、できるだけいつも同じ状態をキープすることが、猫の幸福へとつながります。
3.リラックスした仕草

猫がのびのびとくつろいでいる姿は、幸福度を知るポイントのひとつです。
私たち飼い主も、愛猫の気持ちよさそうなリラックスした姿を見ると、不思議と幸せな気持ちになってしまいますよね。
猫がリラックスしているときの仕草には、「香箱座りをする」「仰向けになってお腹を出し、ヘソ天状態で転がる」「しっぽをピンと立てて寄ってくる」などがあります。
逆に、耳を横に伏せて体を小さく丸めている場合は、不安を感じているか、体調不良の可能性があります。
一見、落ち着いて毛づくろいをしているようでも、過剰なグルーミングが見られる場合は、ストレスを抱えているのかもしれません。
4.好意的なコミュニケーション

猫の幸福度は、飼い主との関係性にも影響されます。
名前を呼ぶと反応する、すり寄ってくる、のどをゴロゴロと鳴らす、ゆっくりとまばたきをしてくるなどの行動は、信頼関係がしっかりと築けている証拠です。
猫からの好意的なコミュニケーションは、猫が幸せだからこそ見られる行動です。
少しでも不安や緊張がある生活では、こうした行動が減ってしまいます。
お迎えしたばかりで、まだ慣れていない猫は仕方ありませんが、触られるのを極端に嫌がり、すぐに隠れてしまうような場合でも、猫のペースを大切にしながらゆっくりと良い関係を築いていきましょう。
人と猫が信頼し合えることは、猫にとってもとても幸福なことなのです。
5.適度な好奇心

猫が適度に周囲に興味を持ち、好奇心を持つことも大切です。
たとえば、おもちゃで遊ぶ、新しいものをチェックするなど、適度に探究心を持っている猫は、心が満たされている状態といえます。
猫も成長すると、ワンパターンなおもちゃには興味を示さなくなることがあります。
しかし、シニア猫でも好奇心があれば、紙袋の中を覗いたり、窓の外を眺めたりすることがあります。
一方で、あまりにも無気力で、一日中寝たきり動かないような場合は、「安心できる環境」がいつしか退屈なものとなっている可能性も考えられます。
特に健康面での異常がなければ、健康のためにも猫の性格と体力に合わせた遊びを取り入れ、適度な刺激を与えるようにしましょう。

まとめ
猫は言葉で気持ちを伝えることはできませんが、幸せに暮らせているかを知るサインとして猫の態度や様子は重要なのです。
今回紹介したチェックポイント5つすべてに当てはまったら、愛猫はきっと幸せに過ごせているはずです。
今後も現状の生活を続けていきましょう。
3~4つだった場合は、とても良い状態ではありますが、さらに快適にできるポイントが見つかるかもしれません。
たとえば、愛猫の寝床やトイレ周りなどが猫目線で快適な空間かどうか、見直してみるのもいいでしょう。
もし1~2つしか当てはまらなくても、焦らずに愛猫のペースに寄り添いながら、快適に過ごせる環境を少しずつ整えていきましょう。
猫との暮らしでは観察が何より大切。ちょっとした気配りで、今よりもっと幸せな毎日を作ることができるようになります。