体に良いと言われる健康法でも、すべての人に合う健康法はありません。
日本人は、良いと聞くと何でも取り入れようとする傾向が強い民族ですが、日本人には日本人のための病気予防法があるのです。
同じ人間でも外見や言語が違うように、性別、年齢、人種等によって「体質」も異なります。
そして、体質が違えば、病気のなりやすさや発症のしかたも変わることがわかってきています。
前回お伝えした「筋トレ」「オリーブオイル」「牛乳」「赤ワイン」のほかにも、日本人が件行為に非常に良いと信じている食べ物の中で、あまり意味がないものがあります。 引き続き今回も、日本人に合わない健康法を4つご紹介します。

目次

★ 日本人に合わない健康法
5.ヨーグルト
6.夏バテ防止対策
7.便秘予防対策
8.お茶ダイエット
★ まとめ




日本人に合わない健康法



5.ヨーグルト



食物アレルギーにはいくつか種類があり、そのうち最も多い即時型と言われるタイプでは、卵、牛乳、小麦、エビ、カニ、そばなどを食べた直後に蕁麻疹や呼吸困難、腹痛などがあらわれます。
そのため診断がつきやすく、原因食物もすぐわかります。

これとは別に遅延型と呼ばれるタイプは、こちらは免疫細胞が活性化するのに時間がかかるため、原因食物を食べて数時間から数日たってから症状が現れます。

その症状も、頭痛、発疹、疲労感、めまい、抑うつ、下痢、肌荒れなどさまざまなことから、アレルギー診断が難しく、疲れやストレスのせいと勘違いしたまま、長期にわたり症状に苦しむ人が少なくありません。

ヨーグルトなどの乳製品が原因になりやすいとされ、頻繁に食べると発症率が上がりますが、皮肉なことに、食べている人は体に良いと信じているので、ヨーグルトのせいで体調が悪くなっていることになかなか気づかないのです。

そこまでしてヨーグルトで腸内環境の改善につとめる必要はあるのでしょうか。

じつは、日本の研究グループが、日本を含む世界12ヵ国の人の腸内細菌を比較したところ、細菌の種類が国ごとに大きく異なり、日本人の腸内細菌は体に有益な機能を持つものが多いことがわかりました。外国人とくらべてビフィズス菌をはじめとする善玉菌が多く、悪玉菌が少なかったのです。

先ほどの牛乳にしろ、ヨーグルトにしろ、乳製品は健康に良いという考え方は欧米から入ってきたものなので、自身の体調の変化に気を配ることで、合う、合わないを判断したいものです。




6.夏バテ防止対策



日本人の基礎代謝には大きな特徴があります。

基礎代謝量が季節によって変わり、それにつれて食欲が変動するのです。

日本人の基礎代謝量は、春から夏にかけて下がり、秋から冬に向けて上がっていきます。「天高く馬肥ゆる秋」の言葉どおり、冬になると日本人の基礎代謝量は夏より8%ほど上がり、食欲も高まります。

寒い中で体温を維持するには、体内でエネルギーを大量に燃やす必要があるからです。




逆に、夏は暑いのでエネルギーを燃やす必要がありません。

そのため基礎代謝が1年で最も低くなり、これにともなって食欲が減って、活動量も自然に下がります。

夏になると「夏バテ防止のために、しっかり栄養を取りましょう」と言う言葉をよく耳にしますが、基礎代謝が下がっているのにカロリーの高いものを食べたら太るだけです。



夏バテになるのは、暑さで食が進まず、体力が落ちるせいではなく、暑い屋外と冷房が効いた屋内の温度差による自律神経の乱れや、寝苦しさによる睡眠不足、高温多湿による発汗の異常などが重なって起きるのが原因のため、たくさん食べれば防げるものではないのです。

特にここ近年の夏の暑さでは、食が細くなるのが自然です。

体にたくわえられないビタミンやミネラルの摂取にさえ気をつけていれば、神経質になって無理に量を食べる必要はないでしょう。




欧米人など肉食中心の人種は、肉に含まれる蛋白質が起こす「DIT反応」、別名「食事誘発性熱産生」により、体内で活発に熱を産生します。

そのため夏でも基礎代謝があまり下がらず、非常に暑がります。
欧米の夏が日本の夏のように蒸し暑かったら、彼らはとても耐えられないでしょう。

体温も違い、日本では体温が37℃以上になると熱があると言いますが、米国では38℃以上にならなければ発熱したとは思わないそうです。

人の体は、暮らす環境に適応しながらできてきたということです。




7.便秘予防対策



便秘は不快な症状を起こすだけでなく、便に含まれる有害な物質が腸に長くとどまることで大腸がんの発症率が上がると言われてきました。

しかし、日本で7年にわたって実施されたコホート研究から得られた結果をもとに、厚生労働省が、「お通じが毎日ある人も、週に2~3回しかない人も、大腸がんの発症率は変わらない」と発表しています。




排便のリズムは個人差が大きいので、はっきりした便秘の定義は存在しません。

日本内科学会は、「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」を便秘と呼んでいますが、このうち、とくに大切なのが残便感があるかないかです。たとえ週に1回しかお通じがなくても、すっきり出るのであれば心配ないことが多いのです。

それでも便秘が気になる場合は、どうすればよいのでしょうか。

食物繊維の摂取不足が便秘を招くのは事実で、米国疾病予防管理センター(CDC)も、便秘に関するガイドラインで食物繊維と水分を十分摂取するようすすめています。

日本人が1人1日あたりに摂取する食物繊維量は、60年前の3分の2まで減っています。食物繊維を多く含む穀物、たとえば玄米や雑穀をあまり食べなくなったのが主な原因だと言われています。




食物繊維の摂取を少しでも増やす努力が必要なのは言うまでもありませんが、日本人の便秘には、もう一つ、隠れた原因があります。
それは脂肪の取り過ぎです。

食べた物が便になるまでの時間は、日本人は平均1日半と言われています。

といっても、消化に良いものを食べれば1日もかからずに体内を通過しますし、逆に消化に悪いものを食べると3~4日かかることもあります。

食事の内容によって便になるまでの時間は大きく変わるのです。




日本人は伝統的に炭水化物中心の食生活を送ってきたので、脂肪や蛋白質が豊富な動物性食品を消化、吸収する能力が低く、たとえば胃酸の分泌量は欧米人の半分程度しかありません。

そのため、肉、肉製品、揚げ物、乳脂肪を多く含むケーキやクリーム、ナッツ類、チョコレート、スナック菓子などは消化に時間がかかり、便通が遅れる原因になります。

もしも動物性食品をたくさん食べているという自覚があり、便秘が気になる人は、水分をしっかり取り、規則正しく食事をすることに気を付けながら、動物性食品の摂取をひかえてみてください。




8.お茶ダイエット



お茶の仲間には、カテキン、カフェイン、ビタミンC、ポリフェノールなど、健康に役立つさまざまな成分が含まれています。

ダイエットに効くと聞いて、積極的に飲んでいる方もおられることでしょう。

ただし、入っている有効成分は飲むだけでコレステロールの数値や血糖値が改善するとは、ちょっと考えられないほどのごく微量なうえに、カフェインには利尿作用があるので、水分の排泄が増えて体重は減りますが、減るのは水分だけで脂肪が落ちるわけではないのです。




そして、このカフェインも日本人とはあまり相性が良くないのです。

大切な仕事の前に栄養ドリンクをぐっと飲むんだり、仕事が終われば「やれやれ、ようやく終わったな」と温かいコーヒーに手を伸ばす。

カフェインは日常生活にすっかり溶けこんでいるのは、脳の神経を興奮させることで集中力が高まり、疲労を消す効果があるからです。

その一方で、摂取し過ぎると、頭痛、不安、抑うつ、不眠、嘔吐、下痢などを起こすことも知られており、欧州食品安全機関(EFSA)など、いくつかの国と地域が、カフェインを安全に摂取できる1日あたりの最大量を定めています。

しかし、カフェインが体に与える影響は個人差が激しく、安全基準以内の量であっても症状が出る方もいます。




近年になって、この個人差に関連する遺伝子が見つかり始めました。

そのなかの一つにはいくつかタイプがあって、どのタイプの遺伝子を持つかで、カフェインで頭がすっきりして気分が良くなるか、逆に不安が高まるかが決まります。

日本人を含むアジア人は、カフェインで不快な症状が起きやすいタイプの遺伝子を持つ人が半数にのぼり、とくに日本人の4人に1人は、カフェインを150mg摂取するだけで不安定な気持ちになるという報告があります。

カフェイン150mgというと、玉露1杯、コーヒー1杯に含まれる量で、缶コーヒー1本にもほぼ同じ量が入っています。
また、紅茶やウーロン茶も500mlのペットボトルで飲むと、同じくらい摂取することになります。

これに対して、欧米白人やアフリカ系の人、そして同じアジア人でも中国人は、カフェインが合わない人は少数派です。

欧米人がコーヒーを、中国人がお茶をおいしそうに飲む映像は、映画やドラマ、広告でよく使われますが、日本人とは遺伝子がが違うようなのです。

カフェインは強い作用を持ち、かつては薬として用いられていました。

あくまでも嗜好品なのですから、合わないと思ったら、ひかえるのが賢明です。




まとめ

国や民族、生活習慣が違えば、体質も違う。
世界の良いと言われている健康法が、自分にとっては毒にも薬にもなることがあり、それを見分ける目を持つことが大切だとういうことがおわかりいただけたと思います。
この先、高齢化が進む中で、さらに増えると予測されている生活習慣病や認知症などについても、「良いと言われているから」とすぐに飛びつくことなく、自分に合った療法を見つけてじっくりと試してみるのがよいのではないでしょうか。

筆者プロフィール

こらっと

大阪生まれ。団体職員兼ライターです。
平日は年季の入った社会人としてまじめに勤務してます。
早いもので人生を四季に例えたら秋にかかる頃になり、経験値は高めと自負しています。
このブログがいきいき生きる処方へのきっかけになれば幸いです。

お問合せはこちらで受け付けています。
info.koratwish@gmail.com


海外からの人材受け入れ団体職員として働いてます。
遡ると学生時代のアルバイトでアパレルショップの売り子から始まり、社会人となってから広告プロダクションでコピーライターとして働きました。
結婚・出産を経て、印刷会社のグラフィック作業員として入社。
社内異動により⇒画像・写真加工部⇒営業部(営業事務)⇒社内システム管理者と、いろんな部署を渡り歩きましたが、実母の介護のためフルタイムでは身動きが取れなくなり、パート雇用として人材受け入れ団体に時短勤務転職しました。

2019年実母が亡くなり、パートを続ける理由がなくなったため物足りなさを感じる毎日でしたが、年齢の壁など一顧だにせず(笑)再びフルタイムで働きたい!と就活し続けた結果、別の人材受け入れ団体に転職しました。
責任も増えましたが、やりがいも増えました。

デスクワーク経験が長く、Office関係の小ワザや裏ワザ、社会人としての経験を共有できれば幸いです。

家族構成は夫がひとり、子どもがひとり
キジ猫のオス、サバ猫のメスの5人家族です。

趣味は、読書、語学学習、ホームページ制作などなど
好奇心が芽生えたら、とにかく行動、なんでもやってみます。

猫のフォルムがとにかく大好きで、
神が創造した生物の中で一番の傑作だと思ってます。
ちなみに「こらっと(korat)」は
タイ王国のコラット地方を起源とする
幸福と繁栄をもたらす猫の総称です。




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似顔絵は、「似顔絵メーカー」で作成しました。