愛猫が安心して暮らしていくためには、猫が嫌うニオイや音、逆に好むニオイや音をしっかりと把握することが大切です。 今回は、嗅覚や聴覚が敏感な猫のために飼い主さんができることをご紹介したいと思います。

猫は縄張り意識が強い動物です。
飼い主さんが外出から戻ってきたときに、家の中に持ち込んだものに対して敏感に反応し、ニオイを嗅いで確かめようとします。
帰宅直後の飼い主さんの靴や郵便物、買い物復路などに鼻先を寄せて臭いを確かめていることはありませんか。
また、そのあとに爪とぎ器で爪をとぐのは、異物を確認して改めて縄張りをアピールするための行動です。
飼い主さんが帰宅したときに、愛猫があまりにも外からのニオイを気にする場合は、なるべく靴や荷物を愛猫が近づけないようにしましょう。
猫の嗅覚は優れており、五感の中でも衰えにくい感覚だと考えられています。
猫は嫌うとされている柑橘系のニオイやニオイの強いもの、刺激臭のあるものなどは、なるべく使わない、持ち込まないように心がけてください。
また、年齢と共に活発に動くことが少なくなるため、より身の回りにニオイに敏感になる場合があります。
嫌いなニオイでストレスを与えないよう、細やかな注意が必要です。

猫は、ニオイを付ける行動=マーキングをすることによって、人や同居猫を含むほかの動物に縄張りをアピールします。
爪とぎ器で爪をといだり、テーブルの脚やソファに顔をすり付けたりする行動が、その典型です。
猫がマーキングをするとその場所が汚れることがありますが、なるべくそのままにしておきニオイを残しておくほうが、猫は「縄張りを守れている」と感じて安心します。
ただし、尿を吹きかける「スプレー行動」や不適切な場所での爪とぎなどは、習慣にならないようしっかりと掃除を行い、必要な対策を行いましょう。

聴覚が優れている猫は、虫のかすかな羽音など、人の約3倍の音域を聞き取ることが可能といわれています。
暖かい季節には、脱走防止対策を万全にしたうえで網戸にして外の環境音を聞かせたり、テレビやインターネットで自然の風景を撮影した動画などを見せたりすると、いい刺激になるでしょう。
また、猫に嫌われがちな音は、突然の音や大きな音です。
玄関のチャイム音を怖がる場合は、チャイムの音量を絞ったり、来訪者にはチャイムを鳴らさず携帯で連絡してもらったりなど、怖がらないよう工夫をしてあげてください。
飼い主さんは、猫がもつ優れた嗅覚や聴覚を尊重した環境を用意して、愛猫が安心して生活できるよう配慮しましょう。

まとめ
実は人間の加齢臭や足の臭いは猫のフェロモン臭に似ているとされていて、積極的に嗅ぎに行くこともよくあります。
外出から帰った際に愛猫がどのような反応をするのか、ゆっくり観察してみるのも良いかもしれません。