しかし、医学や栄養学に精通しているだけでは少し物足りないかもしれません。
これから紹介する「5ない生活」が癖になってしまうと、思わぬ形で老化につながる可能性があります。
その生活習慣とはどのようなものなのでしょうか?それでは早速ご紹介いたします。

1.刺激がない
猫にとって張り合いのない生活はよくありません。
猫は生粋のハンターなので、ただ何となく一日が過ぎてゆくのは、身体面・精神面ともに老化を早めてしまいます。
野生を知らない家猫も、やはりハンターの素質が遺伝子に組み込まれています。
その影響もあり、猫は孤独以上に退屈を苦手としている傾向が強い動物です。
そういった意味でも、日常の中で適度な刺激が必要なのです。
ひとり遊びだけでなく、愛猫のタイミングを見て飼い主さんが積極的に遊んであげると喜びます。
さらに、食事においても年齢とともに変化を加えることが大切です。
年齢に合ったものというのはもちろん、時々違う味のフードを混ぜたり、トッピングを加えてみるのも良いでしょう。
2.水をあまり飲まない
猫は元々砂漠で暮らしていた動物です。
よって、水分補給をする習慣があまりありません。
猫が腎臓病になりやすい傾向にあるのは、漠然とご存じの方もおられるかもしれませんが、なぜ猫は腎臓を痛めやすいのかというと、それがまさに、水分が足りないということなのです。
水をあまり飲まずにいることで、猫の体内では濃度の濃い尿が作られます。
そして、それを絞り出すように排尿することになります。
猫に腎臓病や泌尿器系のトラブルが多い原因はまさにここにあるのです。
これらの疾患を予防することが健康寿命を左右するといっても過言ではありません。
また、猫は水にも並々ならぬこだわりを持っています。
温度や飲み方(容器やサーバー)の工夫、微量のマタタビやペースト状のおやつを混ぜるなど味の工夫をして積極的に水分補給を促してあげましょう。
3.運動しない
野生の猫は嫌でも運動せざるを得ません。
なぜなら、狩りをして食料を得なければ餓死してしまう状況にいつも置かれているからです。
猫が日中よく眠るのは、日が暮れてからの狩りに備えて体力を温存する意味も含まれています。
しかし、家猫の場合はどうしても運動不足になりがちです。
運動量が少ないと成猫は肥満や糖尿病、子猫は真空行動(突如猛ダッシュをすること)につながります。
病気やストレスは、やがてあらゆる面において衰えを引き起こします。
十分に走り回れる環境・上下運動が可能な環境・狩りを模した遊びなど、体を積極的に動かしたくなるような環境を整えてあげてください。
4.構わない
猫は犬のように飼い主さん従順な動物ではありません。
しかし、猫と実際に暮らしてみると、意外と甘えっ子な一面があることに気づくでしょう。
特に幼い頃から人との暮らしに慣れている猫は、飼い主さんを母猫のように慕い、成猫になっても子猫のように甘えてくることがあります。
過度に甘やかすのは良くないものの、逆に構わなすぎるのもストレスになってしまいます。
一日に数分程度、遊びに付き合ってあげましょう。
絶妙なタイミングは、愛猫が擦り寄ってくる・お腹を見せてゴロンと転がるなどの仕草が見られたときです。
5.眠らない
猫が一睡もしないということはほぼありませんが、落ち着いて眠れない環境はストレスや生活リズムの乱れに繋がります。
猫の睡眠は、子猫であれば20時間程度、成猫は14時間程度、高齢猫は18時間程度必要としています。
ただし本能的に熟睡はできず、小刻みに眠る時間のトータルが以上のような睡眠時間になっています。
人も猫も睡眠不足は心身の不調を招きます。
特に、高齢猫の場合は命に関わることもあるため、安心して眠れる環境を整えてあげましょう。

まとめ
できるだけ元気に長生きしてほしいと願うのはどの飼い主さんも同じでしょう。
老化を緩やかにするためには「猫らしい生活」を尊重しつつ、猫特有の足りない要素を補ってあげることが大切なのです。