経営学者、ピーター・ドラッカーは
「時間は有限。弱みを克服することに時間を充てるのは非効率である。弱みは克服するのでなく、チームでお互いを補完すればよい。」
と述べています。
自分の強みを知り、どう貢献できるかを考えて行動するほうがより自分を伸ばせるのです。
今回は、自身の強みを確認し、より有効に活用するヒントをご紹介します。

そもそも強みとは何なのでしょう。
ここでは、「強み開発」を専門とするポジティブ心理学者、アレックス・リンレイ氏のセオリーで紹介しましょう。
強みは、以下の3つの要素で構成されています。
強み = うまくできること × 活力が出ること × 成果を上げられること
つまり強みとは、「人よりうまくできること」で、「やるほどに活力が出てくるもの」で、「成果を出せていること」。
あなたのなかに、この3要素が揃ったものです。
ここで重要なのは、人よりうまくできて成果を出せても、活力を感じないならそれは「強み」ではないことで、この点がこの論旨のおもしろいところです。
たとえその作業がうまくできるからといって、3倍多くやったところで苦しさしか生まれないのなら強みとは言いません。
その作業にワクワクできることも重要な要素というわけです。

それでは、あなたの強みを見つけてみましょう。
次の質問に答えください。
【強みを見つける3つの質問】
1.仕事上、またはプライベートで、現在過去を問わず、人よりうまくできる(た)と感じているものはありますか?(いくつでも)
2.その中で、やるほどに「おもしろさ」「楽しさ」を感じるものはありますか?(いくつでも)
3.その中で、仕事に活かせて成果を得られているものはありますか?
すぐには出てこないかもしれませんが、その場合、あえて時間をつくってでも考えてみることをおすすめします。
その場合は、自分が「これが好きなことかも…」と思えるものから探すといいでしょう。
たとえば「効率的に進めるために工夫する」ことが得意(好き)といったことでもいいでしょう。
さらにこれが活力が沸くことでもあり、結果も出ていたとします。
だとすれば、「効率的に進めることが強み」と考えてみるのです。
もちろん、強みはひとつではなく、いくつか考えてみるのがおすすめです。

では、その強みの使い方についてですが、すでに活かせている強みは、さらにレベルアップを目指すか、もしくは自分以外の人ができるように指導するなどの横展開を検討しましょう。
勉強会を開いたり、マニュアルに起こすなども手段のひとつです。
さらなるレベルアップの考え方の具体例として、
ある人材派遣会社で、顧客企業に人材(登録スタッフ)をコーディネートする仕事に従事していた方が、実はカラーコーディネーターの資格を持っており、週末にはボランティアの一環で講師アシスタントをされていました。
そこで、なかなか仕事が決まらない登録スタッフにカラーコディーネートによるアドバイスで印象アップをはかることはできないか、と考えました。
カラーコーディネーターの知識を仕事でも活かそうと思われたのです。
仕事はできても見た目の印象で損をすることで、企業側に選んでもらえないケースもあるのではないか、と上司に伝えたところ、上司は喜んでその企画を実行するように言いました。
見事に自らの知識を活用した発案によって自分の強みを生かす機会をつくったのです。
また、「横展開」の例では、効率化を図るのが得意な方がAIを活用してどんなことが効率化につながるのかを検証しました。
すると、調査、資料作成、プログラミングなどに応用できることを確認。
その後、AIの活用法を職場で共有し、職場全体の作業効率が大幅に改善されたといいます。
このように「自らが強みを生かす機会」を考えることで、仕事へのモチベーションが一気に上がることが具体的な事例としてあるのです。

まとめ
きっと生産性が上がるだけではなく、仕事がより楽しいものとなるでしょう。